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2015.10.15ワルター・ファン・ハウヴェとせいこ先生、ダニエレ先生のコンサート(前半) [flauto dolceリコーダー]

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先週、15日木曜日、初台オペラシティの近江楽堂に
私のリコーダーの先生、田中せいこ先生とダニエレ先生と先生方の先生、
Walter van Hauweワルター・ファン・ハウヴェ先生のコンサートに行って参りました。

本当に!本当に!
素晴らしかった・・・!!!

ファン・ハウヴェ先生は前回お見かけしたときよりすこし痩せてらしたけれど、
相変わらずどこか飄々としてらして
でも中に高熱で燃える恒星のような光を持っているような印象です。


最初の曲はヨハン・マッテゾン、3声のソナタ ト短調。
せいこ先生とダニエレ先生とファン・ハウヴェ先生のトリオです。

最初の一音目を聞いた瞬間から
あっ!って思いました。

あまりにもppピアニッシモ。
ほんとにリコーダーで、3本鳴っててびっくりするくらい小さな音。
クラシックギターのppくらい小さい。

吸い込まれるような響きです。

前回のファン・ハウヴェ先生のコンサートとかって
もっともっとこの近江楽堂の中を音が飛び回り、圧倒されるような
音の響きとスピードの中にいるような
もしくはホールの上から音楽が降ってきて満たされるような
そんな感覚でしたが
今回は光に吸い込まれるようでした。

そして最初のマッテゾンから泣きそうになっちゃった・・・。
自分的にはこんな最初っから泣いちゃったら最後どうすんのよ、アタシ、 と突っ込みをいれずには入れません(笑) 落ち着け、落ち着け・・・・化粧が落ちるぞと唱える・・・・。


次はファン・ハウヴェ先生独奏で
アウレリオ・ヴィルジリアーノのリチェルカーレ。
イタリア語でricercare=Ri(再び) cercare(探す)という意味です。 この曲は前にも先生の演奏・・・聞いたことがあったような・・。
リチェルカーレはこのあとバロック時代にはフーガという技法へと移行していきます。

この時代はルネッサンス、rinascimento=ri(再び) nanscimento(誕生)という
中世に対しての新しい動きのあった時代。
器楽のための曲、というのが書かれ始めた時代でもありました。

つまり、まだまだ音楽のルールが定まっていない時代。
この曲はジミ・ヘンドリックスのように自由で(ファン・ハウヴェ先生談)
名人芸を披露するようなところもある曲です。

先ほどのトリオと違って最初のテーマから見せ付けるような、
まるで野ッ原で決闘でもするんじゃないかのような
ぶっ飛んでるような響きとパワーで圧倒されます。

ファン・ハウヴェ先生の演奏はまるで今先生が即興でその曲を作ったかのような勢いと
自由さ、曲を支配している・・ということなのか・・・・?

テーマが複雑に繰り返されたり、かと思ったらどれだけ速弾きナンダヨ!!ってなったり
急に広くゆったりするように歌いかけたりとまさに名人芸のオンパレード。

ただただ圧倒される、演奏でした。


そしてこのあとはバロック、つまりルネッサンスのあとの時代、
それももっと音楽のルールがしっかりとつくられた時の
テレマンの無伴奏バイオリンのためのファンタジアでした。 テレマンのファンタジア大好き

ファン・ハウヴェ先生の演奏は「フルートのための」はいくつか聴いたことがありましたが
「ヴァイオリンのための」は初めてデス。

この曲自体は何回もグリューミオーやヒラリー・ハーンの演奏で聴いていて
とても美しく好きなのですが
どちらも演奏じゃなくて曲に対するイメージがよく似ている印象。

ファン・ハウヴェ先生が弾くとぜんぜん違う!!
ずっと力強く、大地のエネルギーを感じ、宇宙的で複雑!

はじめて聴いた曲のようでした。びっくり・・・。


そしてルカ・コーリのイン・ノミネ。
この曲はせいこ先生とダニエレ先生のために書かれた曲です。

現代作曲家のルカ・コーリ。
前にもこの曲とトリプルムという曲の先生方の演奏会があったのですが
そのときはその日すでに予約が入っている日でいけず・・・・
今回はじめて聞きますがとても聴きたかったた曲のひとつデス。

イン・ノミネとはグレゴリオ聖歌の旋律に基づいて書かれていて、
そのひとつの旋律がなが~~~~~~く引き伸ばされ、
その上に元の曲とはまったく関係なく構成されたルネッサンス時代の作曲です。

そしてこの曲、「二人のリコーダー奏者のための」曲なんですが
リコーダーはなんと4本以上使います。
しかも4声、つまりいっぺんに一人で2本吹く×2という大技を多用しています。

なんでもピタゴラスによるテトラクテゥスという宇宙を作る1・2・3・4の数字に基づいて
作曲されているそうです。
これがリコーダー奏者2人×2本=4本→一人1本+一人で2本=3本→
そして一人一本ずつ=2本(デュオ)→最後は2本ですがユニゾン=1になっていくという・・・。

わたしとしてはルネッサンス時代に作曲された普通の(と書くと変だけど)イン・ノミネも
非常に数学的な印象を受けていたので本当に楽しみにしていましたが

やはり素晴らしかったです。
すべての星を観きらないように、最初はたくさんの響きと流れからはじまり、
一つ一つが独立しているようで関係しあうような、
こっちで星座を探してたはずなのに、流れ星とかに気を取られたりするような
そして最後はだんだんとひとつのちいさな宇宙を見るような
そんな感じでした。

ぜひぜひまたこの曲を先生方に演奏していただいて
もっともっと回数をかけて聴きたい曲です。


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